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はじまりのこと

手漉き和紙のこと

 
 
新潟に移り住んで、新潟の職人さんがつくる手漉き和紙に出会いました。
 
 
紙は植物からつくられていることは知っていましたが、手漉き和紙には、その植物の美しさがあり、自分が心惹かれてきた、古い古い昔の本のページのような独特の手触りがありました。
 
 
 
けれど、材料となる植物を育てて、手作業で作られる昔ながらの紙漉の文化は、作り手も使う人も減ってしまい、消滅寸前のところまできています。
 
現代の大量生産型のシステムや印刷機では、なかなか使うことが難しいからです。
それに、手作業でつくられる手漉き和紙はどうしても値段も高くなってしまいます。
 
 
 
でも、山や水辺の、さまざまな植物をつかった美しい紙に、心惹かれる人はきっといて、わたしにも使うことが出来たらいいのにと思いました。
 
 

 

印刷会社さんで印刷してもらうのは難しいけど、自分でシンプルな版画のしくみを使えば、印刷できないかと、いろいろ試しました。

 

 

そしていま、主に使うようになったのが、シルクスクリーン印刷などの孔版画と活版印刷機でした。

 

 

 

昔の印刷機のこと

 

 

デジタル化して便利になった時代の恩恵を受けて、これまで印刷物をつくってきましたが、自分のような小規模な印刷物の生産者にとって、不都合に感じることもありました。

 

昔の印刷物は、今ほど機械化、大量生産化されていない技術と手法によって、紙づくりも印刷も行われていたそうです。

 

昔ながらの手仕事と、機械化のはざまでものづくりが行われていた時代。

 

手漉き和紙と相性がいいのは、そんな時代の印刷機のように思います。

 

 

 

とくに、活版印刷機は、デジタル化が進むにつれてほとんど姿を消した印刷機ですが、現代の作り手にとって、まだまだ便利な使い方もできると考える人がすこしずつ増えてきている気がします。

 

 

デジタル上で作ったデータを、シルクスクリーンや活版印刷の版にすることもできるので、ほどよくデジタルの便利さと、アナログの便利さを組み合わせて、ものづくりをしていけたらと思います。

 

 

まだまだ職人さんほどの高度な技術はありませんが、自分で描いた絵を、自分で試行錯誤して印刷することは、たくさん発見することもあります。

 

 

限られた表現の中で、どんなものをつくっていくのか、あれこれ考えています。

 

 

 

大切なことを伝える「紙のもの」


デジタル化する現代において、紙の役割は減ってきています。
だからこそ、手紙やハガキを出すときは、とても大切な気持ちがある時だと思います。

本当に大切なことを伝えるときに使われる「紙のもの」をつくること。

手漉き和紙は、一般の紙にくらべてはるかに高価で貴重なものです。
気軽に日常使いするにはとても適しているとは言えません。

アナログな印刷機も、活躍の場は減りつつあります。

 
 
手漉き和紙は生産数が少なく、季節や、材料の調達にも限りがあり、いろいろと課題もあります。
 

けれど、そんな手漉き和紙と印刷機が、うまく働き合って、だれかのお役に立つことができると考えました。


活版印刷やシルクスクリーン印刷による、小規模なものづくりを行っています。
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